朦朧





あなたにピルを使った方がいいか聞いた時、

ほんとはね、使わないでほしいって言って欲しかったんだ。


私はね、あなたのこと本気で好きなんだよ。

子供が出来て、捨てられる未来が見えていても、あなたの赤ちゃんならね、絶対に1人でもいっぱい愛してあげられると思うの。

それにね、あなたの子供なら、欲しいの。


そう思っていたから、使った方がいいって言うあなたの言葉がショックで。


私は本当に愛してもらえてないんだなって。


あの時は強がって1人で飲めるよって言ったアフターピルだってね。

本当は辛かったよ。

1人で買いに行くのも。こわかった。

飲むのも、怖くて辛くて。嫌だったよ。

それでもあなたとの関係を安定させたくて

ずっとそばにいたくて、頑張ったから。


あなたを私が愛しているのが伝わって

少しでも、好きになってもらえたと思ったのにな。



そばに居たいよ。

でも、あなたはこれから先、

なにがあっても私を愛してくれない。

どれだけ言葉で繕ってくれたって

ふとした言動で分かっちゃうんだよ。




私はあなたの1番になんて一生なれない。

わかってるし。きっと。便利なバカ女だよ。





でもね、きっと、

ずっと愛してるよ





希薄




今日の昼頃に送ったLINEが

まだ返ってきてくれない。

もう寝てしまっているのかな。


たったLINEが返ってこないだけなのに。

とても不安になる。

そして、この不安も、

私とあなたの関係性がどれ程脆く、

どれ程薄っぺらいものなのか突き付けてくる


あなたを、友達に胸を張って紹介したかった

あなたを、私だけのものにしたかった

あなたの、彼女になりたかった

あなたの子供が欲しいよ



一生叶わないであろう言葉だから

せめて、誰にも知られていないここで

消化しなくちゃ。



どうしたって、あなたのそばで

笑っていられる方法は現状の維持だけ。



離れたくないよ。



無意識的幸福


さっきまで一緒にいたのに、
もう会いたくなってしまうなんて不思議。


『あいたい。』

私のワガママを、喜んで聞いてくれたあなたは
今日も一番かっこよくて。

気が付けば約束していた場所に
先に駆けつけてしまっていた。
そのくらい、会いたかったらしい。


あなたといると辛い。でもね。
あなた以上に私を幸せな気持ちに出来る人なんて居ないだろうなって。

名前

朝 、目が覚めて、
昨晩送ったSNSへの返事を少し期待して、
アプリケーションを開いた。
既読の文字が虚しく、ディスプレイに映し出されているだけだった。

おはよう。あなた。
返事が欲しくて打っては見たものの、
結局送れずに、あなたへの想いの詰まった
このブログを読み返して気を紛らわせた。


おはよう。あなた。


そういえば、昨日友人と話した事を思い出した

〝名前で呼んだりしないの?〟

恥ずかしくて出来ないと答えたが、別の。
明確な答えも、私には見えていた。



『俺は先輩だからね。』

『ねこかんちゃんは。可愛い、後輩だから。』



〝先輩〟と〝後輩〟
きっと、あなたにに念押しされているから。

私だって、彼女のように名前で呼びたい
他の人より、少しだけでも特別でありたいよ。

そう思ってしまうのは、
いけないことなのだろうな。


彼女があなたを想っているのも。知ってる。
あなたの支えになっていることも。


そして、あなたが彼女を想っているのも知ってる。
彼女の事を好きなのも。信頼しているのも。
好きだから、格好付けたくて。
私の前で泣いても、彼女の前では気丈でいるのも。
彼女に理解されたくても、嫌われるのが怖くて、
私にしか本音が言えないだけなことも。


私に、言ってくれる〝好き〟が、
どれだけうすっぺらいものなのかも。

一緒にいると肌を突き刺す様に感じるの
こんな事、感じたくもないのに、
あなたを好きになればなる程に言葉に過敏になる。

私は本当にみんなと同じ後輩でしかない。

そう知っていたとしても。明白でも。
目を逸らしてしまっている自分が憐れで。





私は本当に、後輩なだけなのに。
特別なんかじゃないのに。
分かっているのに。いつか終わってしまうのも、
きちんと理解出来ているはずなのに。
傍になんて、いられないのに。


ただ、今、あなたと居たい。
ただ、今、あなたの笑顔が見ていたい。

これだけのために、見えている現実から
目を逸らしてしまっている。



なんて卑しい女なのだろうか。

高揚

好きだった香水を見かけて
つい、買ってしまった。

大好きで自宅に置いておいたはずが
いつの間にか無くなっていた香水、

このご時世、ネットで探せば買えるのだろうが
見つけて買えたのがすごく嬉しくて。
洗顔や歯磨きを済ませ、
どこに行くわけでもないのに開けてしまった。


甘くて強い女性の香り。
気分が高揚して、貴方を思い出した。


ドキドキしたからかな?
たまらなく、会いたくなってしまった。

〝 あなたを私が想う頃、
あなたは何を思っているのかな。〟

それを考えるのが、凄く。怖くて不安だ。


答えは、知りたくもない。

激情


あなたのSNSを見る度に辛い気持ちになる
私は何を見ても、誰とどこにいても
あなたの事しか考えられなくなってしまっているのに。

あなたはきっと、家に帰ったら私の事なんて忘れてしまえる程に幸せなんだろう。
そう思うと仕舞っておけない程の嫉妬心に駆られる


私はあなたの何%を占めているのかな。
あなたは私のことを考えてくれているかな